事例研究1 優先道路での出会い頭事故
当ブログをお読み頂いてますKさんからのご相談です。もちろんKさんからの掲載許可を頂いてからの掲載です。
先日Kさん(図での黄色い車)は、買い物の為自宅から国道を通りスーパーまで走行されてました。国道は黄色の車線で区切られており、センターラインが交差道路を貫く優先道路です。
事故現場のその場所は、Kさんから見て左側に大きなビルが建っており、左側の交差道路は非常に確認しづらい場所です。
Kさんがその場所にさしかかった時、左側の交差道路からOさんの車(図の白い車)が飛び出してきました。
咄嗟にブレーキで回避しようとしましたが、回避できずそのままOさんの車がKさんの車の左後部に接触してしまいました。
Oさん側には「止まれ」の標識があります。Oさんは止まれ表示に従い、一旦停止後に発進したと言ってます。
この状況でお互いの責任を判断すれば、過去の判例ではKさん10、Oさん90の責任割合となります。
但しKさんの言い分は
- 自分の後部に接触しており、追突と同じだ。一方的な事故と同じだ。
- この事故で自分は警察に行ったり後の事故処理で数時間を無駄にした、この分も賠償して欲しい。
結局上記の内容を、Oさんに言えるのか否かのご相談でした。
結論から言いますと、どれも言い分としては成り立ちません。
1、 につきましては、Kさんは約30Km/hで走行していたとのことです。その速度ですと1秒間に8.3m車は移動します。瞬き一つで前に接触するか後ろに接触するかの違いです。厳密に今回のような双方が動いている状態では、前後ろどちらに接触しても条件的には同じです。
2、 につきましては、免許を交付されている条件の中には、事故後速やかに警察に報告する義務があります。ですので義務を履行したに過ぎず、損害として立証することは不可能です。
今回の事故のケースでは、Kさんが優先道路を走行しているため、基本的な責任は1割です。それは優先道路走行時には、交差点を徐行して進む必要性が無いためです。しかし優先道路であっても、事故が起きそうになったり回避しなくてはいけない時には、回避義務は発生します。この部分を問うて1割の責任を課せられてしまいます。
ここまでの説明をして、Kさんも納得されたようです。Oさん側の保険会社は何の説明も無く、一割の責任ばかりを主張された為Kさんも少し感情的になられたようです。
事故の際に相手方の保険会社は、何に対して責任があるのかキチンと説明する義務があります。説明される側も、その内容をキチンと確かめ示談に応じた方が良いでしょう。逆に説明のない時には、示談に応じる必要性は無いとも言えます。交通事故は双方にとって嫌な物です、少しでもスッキリして解決出来ればと思います。
この記事を読まれた方は、以下の記事も読まれています。:
- 関連記事はありませんでした。